オーストラリアでは、日本と同様に特許の分割出願が可能です。分割出願は、親出願の出願日に出願されたものとみなされます。本記事では、オーストラリアにおける分割出願のユースケースと手続き上の特徴を説明します。
分割出願のユースケース
オーストラリアでは以下のようなケースで分割出願が利用されることがあります。
明細書に開示されている他の発明を保護するため
明細書に開示されている他の発明を保護するために利用されます。
特に、オーストラリアでは、日本と異なり、単一性の要件が比較的厳しく、同一カテゴリの複数の独立請求項の発明は単一性が認められにくい傾向にあります。例えば、日本では、実務上、複数の従属請求項が許可されていた場合に、当該従属請求項に対応する複数の独立請求項を作る補正が可能ですが、このような補正は、オーストラリアでは単一性違反を指摘されます。
また、従属先の請求項に特別な技術的特徴(Special Technical Feature)が見られない場合は、審査官は、当該請求項に並列して従属する複数の従属項のうち、より番号が大きい請求項の審査を行わないことがあります。このようなケースでも、審査されなかった発明の権利化を目指すオプションとして分割出願が検討されます。
親出願よりも広い保護を取得するため
親出願よりも広い権利を目指して、分割出願でチャレンジすることもできます。
権利を存続させるため
また、アクセプタンス期間(Acceptance Deadline)内に全ての拒絶理由を解消できずに、かつ、出願人が権利化を諦めていない場合において、特許を生かすために、分割出願を利用します。
特定の製品やサービスをカバーするため
また、日本でよく行われるように、分割出願を使用して自社や他社の製品をカバーするように権利範囲をデザインし直すことも可能です。
特に、オーストラリアには、欧州などのような厳格な補正の要件はありません。したがいまして、日本と比較的同じように、開示の範囲内で柔軟に分割出願の請求項を検討してよいと考えます。
手続き上の特徴
上記のような目的をもって行われる分割出願について、以下のような特徴があります。
時期的要件
分割出願は、許可の公告(日本の特許査定のようなものです)から3か月以内、もしくは、許可されそうにない場合は、アクセプタンス期間の最終日までに行われる必要があります。
審査請求
分割出願の審査請求の期限は、分割出願の出願日から5年とされています。しかしながら、分割出願をして間もなく(2週間ほど)審査請求の指示がされます。出願人は、この通知の発行から2か月以内に審査請求を行うことを要求されます。したがって、実務的には分割出願から3か月くらいで審査請求をするか否かの決断をしなければなりません。
審査請求から12-18か月を目途に、最初の審査報告書が発行されます。なお、オーストラリアでは審査を早めるオプションとしてPPHと早期審査の利用が可能です。
年金
オーストラリアにおいて分割出願の存続期間は、日本と同様に、親出願の出願日(PCT出願の国際出願日又は優先権の主張を伴うオーストラリア特許出願の出願日)から20年で満了し、親出願の出願日(PCT出願の国際出願日又は優先権の主張を伴うオーストラリア特許出願の出願日)を基準に4年目から年金が発生します。重要なの恬として分割出願の時点で、経過している年度の年金は遡って支払う必要はありません。

また、オーストラリアでは、許可時にAU$300の庁費用が発生しますが、この費用は、日本の1~3年次の特許料とは考え方の異なる費用ですのでご注意ください。
分割出願について何かお手伝いできることがあれば、お気軽にお問い合わせください。


